サルトル

wondermissile2007-10-25

 昔、高校のときのある教師の「学生のときサルトルの来日講演があって、当時はすごい流行ってもいたから行くつもりだったんだけど、いざ当日になるとボウリングに友達と行ってしまった」なんていうとほほな話を思い出したんだけど、実は僕もあんまりひとのことは言えんというか、サルトルは入門書的なやつは読んだことが有るんだけど、小説とかは読んだことがなかった。で、いまさら読んでみたんだけど、結構面白いですね。なんか大江みたい、ていうか逆か。
 彼の実存主義自体は、僕が大学生の頃には「構造主義に敗北した」扱いで、ポストモダンやらポスト構造主義やらなんやらのはやりの中ではあんまり注目されてなかった、というか、一時期思想界のスターだっただけにその反動で逆に時代遅れな扱いになっていたような気もする。
 でも、今小説読んでみたり、あらためてその思想をかじり直してみると意外と面白い。どこがどう面白いかというのは面倒なので書かないが、ひどく大雑把にいって、センスがあるんだろうな、と思う。たとえ思想的に時代とそぐわなくなっても、読み物として魅力があるものというのがあって、極端なところ聖書とか論語とかもそういう類いかもしれない。