信じてみるということ

wondermissile2005-12-22

去年の12月21日に書いたことと同じことを書きます。
今年もクリスマスシーズンで、またこのエピソードがあちこちで使われているからです。


 昔ニューヨークの8才の少女が「サンタクロースは本当にいるのか」と新聞社に質問した。そのときの答えは「サンタクロースはいる」で、理由を大雑把にまとめると「目に見える物だけが世界ではなく、信じる気持ちと想像力と詩と愛とときめきが素晴らしい世界を見せてくれる」ということである。自由な想像力やヒューマニズムを育てるには、このような発想はとても重要なことだと思う。ただし、疑いを持つことも必要で、ただ無条件に信じろというのには違和感がある。この新聞記者の答えは「ちょっと良い話」として有名なのだが、彼の答えの冒頭では「サンタクロースを疑う君の(少女の)友達は心が狭い」と決めつけている。僕はこういう一方的な美談は嫌いだ。一点の疑念もなく何かを信じることが、どれだけ多くの悲劇や大量殺戮を生んできたことか。すべてが確かなものではないから、不確かなものであっても「信じてみる」ことが重要な場合もあるだろう。ただし、あくまでも「目に見えるものだけがすべてではない」だけであって「不確かなものを確かめずに信じろ」ということではない。