文学者の間違い

wondermissile2005-12-20

 先日のjosef K君のコメントで思い出したのが、森鴎外の間違いである。

 森鴎外といえば夏目漱石等と並んで文豪と呼ばれる文学者であるが、同時に軍医でもあった。そして陸軍軍医総監の地位まで上り詰めた超エリートでもある。で、彼の間違いによって数万人の兵士が命を落としたことはあまり知られていない。

 「森鴎外」「脚気」のキーワードで検索してもらえば関連情報がいっぱい出てくるので詳細はそちらでみてもらえば良いと思うが、簡単に説明すると、当時脚気には伝染病説があり、彼はその立場をとるが、当然これは今となっては大間違いなわけだが、当時でも他の説や有効な治療法があったにもかかわらず、彼は自らの地位や立場、自説に対する頑固さ・プライドなどによって、客観的事実として間違いを認めず、医師として指導的立場にいた彼の間違った医療方針によって戦地で数万人が命を落とすことになった。
しかもその後彼は死ぬまでこの間違いを認めることはなかった。

 今も多くの文学者や思想家が、生半可な知識や己のプライドのみに固執し、ロクデモナイ言論を繰返しているのを見かけることがある。間違いは誰にでもあるが、少なくともそういうくだらないことからもっとも遠くにいるべきが、文学者や思想家、哲学者ではないのか。と思うけど、なかなかそうはいかないもんですな。