Cabaret Voltaire

wondermissile2006-02-20

Cabaret Voltaireの『Red Mecca』を聴く。テープ・ループ/コラージュ、ノイズを大胆に取り入れ、それを今で言えばエレクトロニカサウンドと、独特のキィキィ切り裂くギター、低くうなる、ちょっと呪術的にも聞こえるボーカル。このアルバムに関してはPOP GROUPとかに近いかも。とりあえず、この実験性と表現者としての緊張感はなかなかすごい。今でも全く古く聞こえない。その後彼等はよりテクノ/ハウスなどへと接近して、UKテクノを語る上ではかかせない存在になってもいく(らしい)。その辺は聴いたことがないので今度チェックしようと思う。

 まったく関係ないが、今日は小林多喜二の忌日である。特高の拷問によって29歳の若さでの逝去であった。僕自身は彼の思想や活動に明るいわけではないし、共産主義者でもないので、その面に対する評価ということは正直よくわからない、としか発言できないのだが、問題はその是非ではなく、こういう弾圧による死が身近に存在した時代が、そう遠くない時代にあった、ということだ。

 この間、言論の自由ということで書いた。そこでは「言論の暴力」という点を指摘したわけだが、もちろん言論は自由であるべきだ。弾圧等は言語道断である。ただしこうした事件に対する正しい感受性があればむしろ「暴力的な言論」はしないはずだと僕は思う。今、本当に殺されるかもしれない状況下ででも発言する程の覚悟を持った上で、そういう言葉を吐いているのだろうか?