16〜22

wondermissile2005-03-08

 YAHOOのニュースで「”想い出の曲”聴いていたときの平均年齢は18.8歳」という記事があった。この数字はなんとなく分かる気がする。面白いのは 「聴いていた当時、置かれていた状況」という質問で『聴いていたときの年齢が若かった人ほど「楽しかった」が多く、年齢が高くなるほど「切なかった」「辛かった」が増えてくる』という調査結果。なるほどねえ、という感じである。
 音楽に限らず、どんなものでもはじまりは「楽しいから」始めるか「仕方がないから」始めるのか、どちらかであることがほとんどだと思う。この「仕方がないから」という場合は、仕事であったり親からの強制であったりという例である。すなわち「外的要因」に依るものといえるだろう。一方「楽しいから」という場合、これは自分の感覚に基づく「内的要因」に起因する。そしてこの内的な部分は特に16〜22歳くらいの間には大きく変化する。きっかけが「外的要因」であっても、まったく自己の内面と向き合わずにすむことはまずありえない。結果として楽しいだけで済むはずもなく、当然切なさや辛さを伴ってくるようになる。
 そして回答者全員に「音楽は人生や考え方を豊かにしてくれたか」を聞いたところ、62.6%が「かなり思う」、32.0%が「ややそう思う」と答えているらしい。音楽関係に多少でも関わって生きている者としては嬉しいとともにある種責任も感じる数字だ。

 16〜22歳ということで最近感じた事がある。最近あるアマチュアミュージシャンのライブを見た。歌唱力もあるし、楽曲も良いのだが、日本語の歌詞がもうひとつなのだ。決して悪くないのだが、深みと詩的なリズムがない。聞いてみると18〜22歳の時期留学していたらしい。それだけが原因ではないだろうが、極端に言うと日本語での表現力が高校生でとまっているのかもしれない。留学経験のある人や帰国子女の人に対して「うらやましいなあ」と思うことが多いのだが、こうした「ある言語での表現力の向上」という点では、本人がかなり意識的で無い限り意外と落とし穴にはまってしまうのかもしれない。とくに10代〜20代前半の「”想い出の曲”聴いて」いるような時期は、人のセンスの基本を構築する重要な時期なのでなおさらである。