時間感覚

 最近つくづく時間が経つのは早いものだと実感する。幼い頃など1年といえば長い長い期間だった記憶があるが、今や1年などあっという間、気付けば2年3年経っているという始末である。なぜこれほどにも時間感覚が変わってしまったのか原因をいろいろ考えてみたところ、思い当たる点としては生活の変化と人間としての経験値の違い、仕事をしていること等を思い付く。それにしても決定的な理由とは言えない。
 以前たしか「象の時間、ねずみの時間」とかいう本が話題になった記憶がある。動物の寿命はそれぞれ長短あるように見えるが、心拍数で数えるとみな同じになるというものである。一生の間に心臓が打つ回数はゾウもねずみも同じで。ねずみの一生は数年でゾウはその何十倍にもなるが、もしそれぞれの動物の心臓が1回打つ時間を基準にすれば、ゾウもねずみも同じだけ生きて死ぬことになるのである。ただしヒトとコウモリは例外らしいが。
 で、なぜこの話を持ち出したのか。心拍数ということではないが、生命の維持できる期間と考えた時、生命力というか寿命というか、それが短く弱くなってくると、時間が早くなるのかな、という根拠のない連想である。若くて元気な時は残された寿命やパワーが大きく、したがってゾウのようにゆるやかに時間は過ぎる。しかしながらそれらが衰えはじめると、ねずみのように時間は急ぎ足で過ぎていく、、と。そんなふうに考えてしまうとなんだか後ろ向きすぎる気もするが。