ストロベリーフィールズ

wondermissile2005-06-24

 リバプールに知人がいたのでいろいろ案内してもらったのだが、そのひとつにストロベリーフィールドがあった。実際に行ってみるとファンが捨てたのかどうかわからないがお菓子のゴミとかいっぱい散らかっていて、まあこんなもんですかという気がしないでもなかった。ここ以外にもペニーレーンだとかエレナ・リグビーの墓とか、ポールやジョンの育った家だとか案内してもらった。話によればジョンの家を道一本隔てたブロックは高額所得者の居住地で、このような道一本でがらっと変わって労働者階級と上流階級が対面しているのは珍しくないとのこと。また、リバプールという町は港町であり、そうした町特有のやさぐれた感じがある一方、少し離れると美しい公園がいっぱいあり、両極端なものが同居しているようでもあった。イギリスという国自体がこうした「相反するものの同居」が特徴のひとつでもあると思う。
 そしてストロベリーフィールズといえば、先日DVDのBRIAN WILSON『SMiLE』を購入。その中でブライアンがSMiLE制作当時車の中で聴こえて来たビートルズストロベリーフィールズを聴いて「先にやられた!」と嘆いたという話が出てくる。どちらが先とかいう問題は本来表現の価値の本質ではないかもしれないが、当時のリリーススパンの短さやシングル全盛の状況、そしてとにかく何か新しい事をやってやると競っている空気の中での「やられた!」感は、天才と呼ばれる人程神経に堪えたに違いない。
 それにくらべると日本の場合、海外でなにか新しいことをやってくれるのを待っていて、それをできるだけ早く、しかもこっそりと取り入れて自慢しているアーティストが多すぎる。