GREATEST MUSIC

wondermissile2007-03-19

 大江慎也が2006年に出したアルバム『THE GREATEST MUSIC』を聴いた。メンバーは花田裕之(g)、井上富雄(b)、池畑潤二(d)って、それオリジナル・ルースターズじゃん!ていう作品。
 去年この作品の存在を知った時は正直買うのを躊躇っていて、というのも大江慎也のソロ作品が基本的にどれも悪い意味で病的で、プロデューサーの言いなりの、痛々しいものが多く、加えて年齢と健康状態の悪さからくる劣化もあるだろうから、きっと聴くとがっかりするんだろうな、と思っていたのだ。
 で、これがすごい良い!もちろんファンであることからくる贔屓もあるんだろうけど(最近のブライアン・ウィルソンに対するものと同じような)。声はすっかり変わっちゃってて、でもそれが英語の歌詞の唄だとニール・ヤングイギー・ポップみたいなのだ。逆に日本語の唄になるとちょっとよれよれすぎかもしれないんだけど、それはそれで今の大江にしか出せない味わいがある。
 それにしても日本語の方が歌うのが難しいんだな、と改めて思った。自分が日本人だから、日本語になれ親しんでいることで耳が厳しくなっているのかもしれないけど、英語だと多少のピッチやリズムの揺らぎは気にならないから不思議だ。また、英語向きの声ってのもあって、今の大江は英語のほうが良いのかもしれない。逆に日本語に向かない声ってのもあって、たとえばニュー・オーダーの『KRAFTY』の日本語バージョンを聴いた時、日本語のたどたどしさもさることながら、「ああ、この声は日本語じゃだめだ」と思ったものだ。
 まあ、なにしろこのアルバムは良いです。