ポー

wondermissile2008-02-12

 最近になって、エドガー・アラン・ポーを読み返した。読んだのは「黒猫・黄金虫」というタイトルのついた文庫の短編集。いろんな訳者の訳で出版されているので、どれが良いのかわからない。
 以前読んだのは、たしか中学一年のころくらいだったと思うので、20年以上前のことになる。
 正直にいえば、当時はそれほど面白いとは思わなかった。あのダークな、ゴシックな感じとでもいえば良いのだろうか、その雰囲気がちょっと子供には早すぎたのか、たまたま読んだ訳本の文体が難しかったからか、わからないが、つまらなくはないけど、「言うほど面白くはない」と感じていた。
 それがなんで読もうと思ったかと言えば、ポール・オースターが自分の好きな作家にあげていたからだ。
 今読んでみると面白い。
 ポーというのは、文庫の解説にもあったけど、大げさに言えば、アメリカがまだ文化的後進国、あるいはこれから文化的なものを生み出していこうという時代の作家にあたり、ある意味アメリカ文学の源流のひとつでもあるのだ。本人はヨーロッパのほうで評価されることになるが、ちょっとその辺はペッサウンズ以降のビーチボーイズぽい。こじつけだけど。
 そういう関連でもないが、最近注目のRUFUS WAINWRIGHTルーファス・ウェインライト)。この人は現代のアメリカンポップミュージックに於いて、相当重要な気がする。デビュー当時はネオ・クラシカル・ポップだとか言われていたけど、ブライアン・ウィルソンが辿り着きたかったサウンドがここにあるかもしれない。