control

 ジョイ・ディビジョンのイアン・カーティスを主人公とした映画「control」を観てきた。
 思い入れのあるアーティストの映画だから、その時点でひいき目に観てるかもしれないが、映画として非常に良い映画で、映画監督が写真家であるためか、映像・カットがいちいちかっこ良い。

 で、この映画の公開にあわせて全作品のリマスターが出たんだけど、それにライブ版がそれぞれ10曲以上入っていて、販売戦略に乗せられ購入。

 メンバーのインタビューなどを通して知るところによると、メンバー(特にバーナード・サムナーとピーター・フック。ギターとベース)は、レコーディングの仕上がりに満足していないらしい。それは、レコーディング技術の問題とか、本人の演奏力とか言う問題ではなく、プロデューサー・エンジニアであるマーティン・ハネットのつくった音像が気に入らないということだ。

 気に入らない理由は、簡単にまとめると「ライブなどでみせているアグレッシブさがない」ということになるようだが、実際のところメンバーに知識経験がないことをいいことに、マーティン・ハネットが好き勝手に実験した側面は否めないらしい。しかし、結果として唯一無二な、内省的な音が出来上がる。僕は初めて彼らの作品を聴いたときは、その背景とかも知らないのに「とにかく怖い」と感じた。もちろん良い意味でだが。

 そんなわけで、ライブ音源に関心があったところでもあったので、購入したんだけど、なるほど、ライブを聴くと違うバンドのようにさえ聴こえる。もちろんイアン・カーティスのヤバイ感じは変わらないんだけど、もっと血気盛んな若者というか、やはりもとはパンクなんだな、イギリスの労働者階級なんだな(イアンは中流らしいけど)とか感じる。

コントロール
http://control-movie.jp/indexp.html